コンクリート検査技師の打音法をモチーフとし、会場の隅々を叩いて回るパフォーマンス。前半ではマイクとともにトンカチで叩いたそれぞれの箇所の中で、特徴ある音を確認できた場所に付箋を貼る。このようにしてマーキングされた会場をマルチパーカッションのセットに見立て、後半では打楽器の即興演奏としてパフォーマンスを行う。
私たちが世界を認識するためには、意味を持った言葉を通して対象を区分する必要がある。しかし細やかな性質の違いは、言葉よりもむしろ擬音語・擬態語を通して認識されてきた。オノマトペと呼ばれるこれらの言語は全世界に共通してみられる言葉だ。本作ではこうした言葉以前の感覚を頼りに、既にある空間と自分の感覚を結びつける契機を探る。